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家族

 半年ぶりに長女が息子と娘をつれて遊びにくるので、少々長い滞在になっても構わないように片付けをすることが、実は日常のある種の没頭に任せて鬱積していた澱みのようなものを払拭する機会になる。長女の遊びという軽さの遠出には、感染事案で身動きがとれなくなった海外勤務中の夫の数ヶ月に渡る家庭内不在が色濃くあって、産まれて一年に満たない孫娘と保育園に行けずに妹との付き合いを模索するまだ幼い三歳児の孫息子と三人でやりくりする新米母親として生活疲弊もある長女が、山に来れば多少は癒されることもあるだろうと、丁度感染の自粛ムードが緩和された時だったから、即座に来なさいと応えていた。

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お茶

 今年に限って、冬から春にかけて、煎茶の袋を三つ四つ空にするほど、珈琲ではなく、お茶ばかりを飲んでいた。

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時間往復歩行

 月のはじめに冬の素描やらを展示し、散らかった部屋に戻って暫し途方に暮れた。傘張り地味た単調愚鈍な手元に嵩んだ鬱屈を払うように、再び小さな工作の反復を引き戻し、片付けもそこそこに、素描で膨らませた光景のような幻影を、手元に試される矩形構成に消しゴムのような効果を与えてはまた炙り出す。芽吹きを待つと同じ感触で、素材の尽きるまで繰り返していた。

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何が描きたいのか?と尋ねられて

 ギャラリートーク(主宰者は茶会といった)にて、進行役のナカムラジンより尋ねられて、ああ、あなたはモノをつくる人間で、こちらは「成る」ことに感(かま)けていると答えたが、おそらく伝わっていないと感じた。関わる事象を完成帰着させるつもりはないと続けたせいで、「成る」の誤謬は広がっただろうと、帰り道若干反省して振り返っていた。主宰進行役から、お前はエッセイ等内容がわからないので書かない方がいい、俳句とか短歌とかのほうがいいと言われ、これは判り易い絵を描けと言われたも同然だと、小さな(まあ米粒程度の)ショックだった。彼の言いたい事はわかるけれども。

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101519

[Chorus]

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