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トウキョー

午前中は、水道局、東京電力、マンションの管理会社、ガス会社などに電話を入れて転出の手続きをし、書類の整理を行う。9/4を最終退去日と決定。

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山々の麓

アンデルセンから車で下り降りると標高差で鼓膜が気圧にやられて音が遠くなる。ループ橋を回るときに鼻をつまんでふんと空気を抜くと市街地の気温に気づいた。猛暑の揺らぎがボンネットの上にある。それまで標高の高い等高線を地勢に沿って走ったようだったから、その等高線が飯綱と黒姫の山の麓であったらから、午前から午後にかけての真昼の真ん中、鍋底盆地の市街地と全く関係の無い爽やかさに包まれていた。それでも、アンデルセンの納のお母様は、今日は暑いですねと呟いた。

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織物

つっぷした夢の中で、イメージは粒子がパラパラ散逸するみたいに消えてしまい、残らなかった。
「生き方が徹底的に間違っているんだよ」
ああ、いつかみた荒川修作の声だ。とそれは残った。

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「シーボルトが長崎の出島で飼育していたニホンオオカミの剥製1体が、オランダ国立自然史博物館に保存されている」という記述で、視線が止まり、数晩つづけて狼のことを調べる。バイクのとなりを疾走するとても大きな白いオオカミの青いような瞳と、速度の中で目を合わす夢もみる。

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オチなし – no punchline –

花の香りか黄砂の匂いか放射線か。防波堤の縁のかたちに添うように歩いて、時期尚早とやや躊躇った半ズボンの脛に波風を受け、サンダルの指を伸ばしつつ、一体今はどんな季節なのか。花は散ったか。人に尋ねたい気がした。

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