午前中は、水道局、東京電力、マンションの管理会社、ガス会社などに電話を入れて転出の手続きをし、書類の整理を行う。9/4を最終退去日と決定。
昼過ぎに次女と勝どきで待ち合わせて、野菜系のメニューのランチをゆっくりと摂り、大門経由で秋葉で降りてちらっと眺めてからお茶の水の下倉楽器にて、次女のギターシールドとヴォーカルマイク、ピックにギターストラップを強請られて購入。サイレントドラムセットが物欲を誘う。ついでに向かい側のdiskunion Jazzを巡る。こういう店は、いかにもトウキョーという感じで、こちらとしては名残惜しい。
しかし、駅のプラットフォームから地下道、勿論ショップにも、大人も夏休みなのか。人間が多すぎる。総武線にインド人のような何年も爪を切っていない仙人のような緑色の丸く伸びた恐ろしげな指先の爺が乗車しており、娘と目をまるくして、あれは狸だと驚く。回りの乗客はなぜ、驚かないのか。
明日から神津島に行くという娘を早々に帰宅させ、こちらもオフィスに戻り、途中で水と枝豆を買い片付けをはじめる。
振り返れば、二十代を都会で過ごし、三十代を長野市街地で過ごし、四十代再び都市生活者となったが、振り子のような人生は、五十代を森の中へ促した。それぞれの環境で考えることは、その度契機も結果も違ったけれども、二十歳の頃の何も考えずに手にしていた雑木林の枝や、通っては飛び込んだ渓谷へ引き寄せられたそもそもの因子のようなものに、ようやく気づいたのかもしれない。
用事があれば都市へも足を運ぶだろうが、スタンスは都市生活者ではなくなったと、今更に強く感じる。