「シーボルトが長崎の出島で飼育していたニホンオオカミの剥製1体が、オランダ国立自然史博物館に保存されている」という記述で、視線が止まり、数晩つづけて狼のことを調べる。バイクのとなりを疾走するとても大きな白いオオカミの青いような瞳と、速度の中で目を合わす夢もみる。
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従来はオオカミの近縁種とされていたイヌ(イエイヌ)は、近年ではオオカミの一亜種 Canis lupus familiaris とする見方が主流になりつつある。ただし、日常語としての「オオカミ」には、通例、イヌは含まれない。イヌはオオカミ(一部コヨーテやジャッカルと混血しているという説もある)が飼い馴らされて家畜化したものと考えられる。
アメリカアカオオカミ、コヨーテ、アピシニアジャッカルとは相互に交配可能で、野生下でも雑種個体が生じ、繁殖力も有しているため生物学的種の定義に照らせば亜種であり、別種ではない。種と亜種の区分は慣習的不合理性が残存していることの一例である。亜種によっては絶滅が危惧される。日本で古来「狼」と呼ばれてきた動物は絶滅したとされるニホンオオカミであり、タイリクオオカミの一亜種と見なされる。
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大きさは亜種、地域によって異なる。体胴長100~160 cm、肩までの体高60-90 cm、体重は25kg~50 kg。大きい個体では50kgを超えるものもいる。一般に雌は雄の体重より10~20%程度小さい。現生のイヌ科のなかで最大。高緯度ほど大きくなる傾向がある(ベルクマンの法則)。記録上最も大きい個体は1939年アラスカで捕獲された体重79.3kgの雄。体色は灰褐色が多く、個体により白から黒まである。子供の時期は体色が濃い。北極圏に住む亜種はより白い。体毛は二層に分かれ保温や防水に優れ、夏毛と冬毛がある。
歯式は3/3·1/1·4/4·2/3 = 42で、上顎には6本の門歯、2本の犬歯、8本の小臼歯、および4本の大臼歯があり、下顎には6本の門歯、2本の犬歯、8本の小臼歯、および6本の大臼歯をもつ。頭から鼻にかけての頭骨のラインはイヌより滑らかである。また、尾の付け根上部にスミレ腺を持つ。
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日本ではエゾオオカミやニホンオオカミが生息していたが、両種とも江戸後期から明治期にかけて絶滅した。他方で、昭和末期より山間部においてはニホンジカやイノシシなどによる農作物の食害などの獣害が恒常的な問題となっている。
大分県豊後大野市が害獣駆除を目的として、オオカミの再導入を検討しており、遺伝的にニホンオオカミに近いとされるハイイロオオカミが候補に挙がっている。猟友会会員の高齢化・会員数減少が進む中での有害鳥獣の駆除効果が期待される反面、生態系に悪影響を及ぼしたり、オオカミが家畜などを襲う危険性も指摘されている[9][10]。
日本においてオオカミは特定動物指定を受けており、現行法ではオオカミを山野に放逐することはできない。
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