折半の恩恵

 一枚の写真画像から気づかされることがある。
 対象(被写体)を捉える(あるいは捉えない) ー ファインダーを覗く ー 絞り露出を与える ー シャッターを押す ー 現像する ー
と云う流れで、デジタル撮影した画像が顕現するわけだが、性癖的なものだろか、振り返るようにして、この撮影の五分割された過程に、心情的、感覚的、恣意的な差異があるのかどうかを考えると、そろそろ最早、均等にこちらが配分されている。

 行程の節々で、可能性の分岐があり、都度の決定を与えるけれども、どれが一等重要というほどのこともない。撮影機を手にして画像が具体化する行為構造が、部分毎に折半されることでむしろ、行為者の率直が具体化するというわけだ。