ーマツ科樹木は他の植物の生長を阻害する物質を産生している。カラマツの葉にもそれら生長阻害物質が含まれていることが分かっており、その葉を秋期に散らすことで競争相手となる周辺植物の 生長を阻害していると考えられている。カラマツの落葉を人為的に耕地土壌に混和することで、雑草の発生や生長を抑制することができる。ー
帯広畜産大学地域連携推進センター、秋本正博氏のカラマツの落葉を利用した有機的雑草防除法を辿り、路肩の落葉が部分的に採集された痕跡の理由にひとつうなづいた。
水平から上り坂を一度加えて後は下り、走り始めた付近に戻るまでは上り続け、後は上りと下りが交互に挟まるコの字の路を左右東西に走るルートが継続には今のところよろしいと気に入って、稀に調子がよければ最初の長い上りの終わりまで走りきるが、途中で顎をあげ腰を曲げた膝にまっすぐ両手を落し腹から上を支えて地面に唾を吐き、背中を上下させるのが常だが、そのいかにも柔な風体も抑制され、惨めなような表情も緩和され、再走までのインターバルが短くはなった。
北部は強風に注意というラジオ予報を聞いてから外に出たので、高い唐松の上部が虚空の箒のような振幅で騒ぎ踊り、上から路面へ吹き下ろして渦巻きあがる広葉樹の落葉が舞っても、振り返ってその動きを眺め仰いでも、代謝の高まった軀の精神には健やかな空間の動きとみえた。
ひとつの定住者の家の前の路が奇麗に掃かれて両脇の溝までが掃除されていて、定住の季節の弁えが現れていると、その意味を考えたが、積雪や凍結に繋げるところで思考を断って走りすぎた。定住の家と別荘扱いの家屋の場所と差異を認識の地図に刻んだけれども、定住の弁えには様々な現れがあるが、その工夫を探るような侵入者の目つきで歩くことも憚れたので、家屋の前はできるだけ走り、樹々の間で呼気を整えるような知らぬうちに反復する作法のような自身の仕草に、どこか姑息を抱いた。